店舗の立地は集客に大きく影響する要因です。地下に店舗を構えている場合、顧客の獲得に苦労しているケースも多いのではないでしょうか。しかし、工夫次第でそのような困った状況を打開できる可能性があります。この記事では、店舗が地下にあることで生じるデメリットを紹介し、それを踏まえたうえで集客力をアップさせるための取り組みも解説します。
地下店舗の集客がうまくいかない原因
どうして地下店舗は集客の面で不利なのか理由がよく分からない人もいるでしょう。それを知ることが打開策を講じる際の第一歩になるので、以下に主な理由を2点挙げて説明します。
お店があるのがそもそも分からない
そもそも店舗の存在を知ってもらわなければ、来店してもらえる見込みはありません。路上に店舗があれば、通行人の視界に入りやすく、容易に存在を把握してもらえます。しかし、地下にあると普通に歩いている人の視界に入りにくく、それが集客力の弱さに直結していることが多いです。看板のように店舗の存在を分かりやすく示すものがなければ、気付いてくれる人はさらに少なくなってしまいます。また、店舗を目当てに付近まで来た人も、うまく発見できないかもしれません。その結果、途中で探すことを断念して、分かりやすい路面店に入ってしまう場合もあります。
中が見えなくて入りづらい
通りすがりの人が店舗の存在に気付いても、それが地下にある場合は入店するハードルが高くなってしまいます。なぜなら、店舗の様子を確認できないので心理的に入りづらいからです。路上にあれば窓などから店舗の中の状況が分かることも多く、少し近づけばメニューや価格などを確認できるケースもよくあります。地下店舗は地下に下りて接近しないとメニューや価格を把握しづらく、通りからは中の様子もうかがい知れません。そのため、入店を検討する材料を得られず、早々に候補から外してしまいがちです。
地下店舗に集客するための方法は2通りに分けて考える
集客を増やすための対策を効率的に行いたいなら、顧客を新規と既存の2種類に分けて考えなければなりません。なぜなら、新規顧客に対しては獲得を目指し、既存顧客に対しては定着を目指す必要があるからです。つまり、顧客の種類によって目標が大きく異なるので、それぞれに合った方法でアプローチしていくことが重要になります。そのため、まずは自分の店舗がどちらを重視するのか決めましょう。並行して対策することも可能ですが、優先順位を決めておいたほうが取り組みやすいです。次の段落以降で、それぞれのケースにおいて、どのようなアクションをとれば良いのか具体的に説明します。
新規顧客を獲得するには
存在を知ってもらうのが難しい地下店舗にとって、新規顧客の獲得は大きな課題です。待っているだけでなく、積極的にアクションを起こさなければなりません。以下に挙げるような方法で適切にアプローチしていけば、集客に結びつく見込みは十分にあるでしょう。
看板やチラシで存在を知ってもらう
まずは、通りから外観を見てもらえないというデメリットを解消するための対策が必要です。顧客を誘導することを意識して、看板やメニューを分かりやすい場所に設置しましょう。少しでも気軽に入れるようにするため、店舗の様子をイメージしやすい情報を提供することが大切です。文章だけでなく、内装の写真なども交えて、雰囲気が分かるように工夫しなければなりません。また、路面に出て行うチラシの配布やポスティングといった宣伝も集客力のアップに欠かせない活動です。チラシにはメニューや価格を詳しく載せ、看板と同様に写真も掲載しておきましょう。
webで魅力を発信する
目的を満たせる店舗を探そうとする人は、WEBの検索エンジンを利用するケースが多いです。また、なにげなく利用しているSNSで店舗の情報を見かけて、興味を持って訪れるようなケースもあります。そのような事情があるので、視認で発見してもらうのが難しい地下店舗にとって、WEBで情報を発信していくことはとても大切です。店舗のホームページを制作するのが基本であり、検索エンジンの上位に表示されるようなコンテンツを用意できれば、多くの人に知ってもらえるようになります。また、複数のSNSを利用して宣伝するなど、いろいろな発信ツールを活用していくのも効果的です。
既存顧客を定着させるには
既存顧客に対しては、リピートし続けてもらえるように工夫する必要があります。定着を促すには以下の3つのポイントを実践していくことが重要なので理解しておきましょう。
オリジナリティを出して差別化
リピートしてもらうには、その店でしか満たせない要素を設けることが大事です。どこでも満たせる要素しかなければ、既存顧客はわざわざリピートせず、他の身近な店舗で済ませてしまいます。言い換えると、特有の商品やサービスによって差別化に成功すれば、顧客が他店舗に流れるリスクを回避できるのです。したがって、オリジナリティを意識して、他店舗との明確な違いを早期に打ち出しておくことが欠かせません。たとえば、珍しい素材にこだわったメニューのみに限定するなど、競合店舗に見受けられないコンセプトを掲げるという手もあります。
何度も来店するメリットをつくる
自分にとって価値が大きな店舗だと分かれば、それだけで来店してもらえる可能性は高まります。何度も足を運びたいと感じてもらえるようなメリットを用意しましょう。そこでポイントになるのは、既存顧客に対して特別感をうまく演出していくことです。たとえば、新商品を優待価格で購入できる案内を常連だけに送ったり、一定回数以上の来店から裏メニューを提供したりすると良いでしょう。このように、自分は特別な顧客であると実感できるメリットを提供することで、店舗に対しても特別な意識を持ってもらい、来店を促していくことが大切です。
コミュニケーションをとって来店しやすくする
いくら商品が魅力的でも、来店しづらい雰囲気の店だと敬遠されてしまう恐れがあります。そのため、来店時や退店時に温かい声かけをして、「来て良かった」「また来たい」と思ってもらえるようにしましょう。滞在時に心地よさを感じる雰囲気もつくらなければなりません。いずれにせよ、来店しやすい空間を実現するには、店主は黙々と接客するのではなく、フレンドリーにコミュニケーションをとっていく必要があります。また、顧客同士が仲良くなれる空間にすることもポイントです。安心できるコミュニティのような環境になれば、店主や他の顧客と話したいという心理がリピートを後押ししてくれます。
地下店舗集客のカギはリピーターと口コミ
新規顧客の獲得には費用がかかりやすいことを理解しておく必要があります。既存顧客にリピートしてもらう場合と比べ、営業活動などに5倍のコストがかかるという法則もあるのです。そのため、飛び込みの来店を見込みにくい地下店舗は、基本的にはリピーターを増やす方向で対策を講じるのが良いといえます。オープン直後など積極的に新規顧客の獲得を目指すのが望ましい時期もありますが、それ以降は既存顧客経由で獲得するような戦略に切り換えたほうが得策です。実際に利用した既存顧客からの口コミは、信頼性が高く集客に結びつきやすくなっています。また、それを聞いて興味を持って来店した新規顧客もリピートしてくれる可能性が高いです。
店舗アプリでリピーター獲得を効率化
集客は店舗の営業努力や既存顧客への働きかけなどにより行えますが、店舗アプリを利用するのも有効な手段です。以下のように上手に使えば、顧客へのアクションを少ない工数で実現できます。
スタンプカードやポイントカードで再来店するメリットをつくる
来店の回数や支払いの金額に応じて特典を受けられる「スタンプカード」「ポイントカード」は再来店を促すアイテムとなります。顧客にとって、店舗を繰り返し利用するメリットを分かりやすく提示できるからです。ただし、それらの管理を面倒に感じる人や、携帯し忘れた場合に来店する意欲を失ってしまう人もいます。そのようなリスクを解消したいなら、ポイントカードやスタンプカードの機能をスマートフォンに持たせられる店舗アプリが役に立つでしょう。顧客にとって利便性が高いだけでなく、店舗にとっても紙のカードよりも導入の費用を抑えられるというメリットがあります。
アプリ会員限定の裏メニューや裏サービスを用意する
店舗アプリを利用してもらえば、店舗側からのアプローチも可能になりますが、そもそもダウンロードしてもらえなければ意味がありません。そこで重要なテクニックとして、ダウンロードしたくなるように、アプリ会員限定の裏メニューや裏サービスを用意しておくことが挙げられます。また、ダウンロードしてアプリ会員になった顧客に対して、店舗アプリ経由のみで得られる限定的な情報を送ることも重要です。店舗を思い出すきっかけを与えるのと同時に、特別感によって来店する意欲を増進させられるでしょう。
顧客属性の管理・分析をする
顧客データの管理機能を搭載している店舗アプリも多く存在します。その機能があれば、スタンプ付与数から利用回数を把握するような使い方もできますし、他にも多様なユーザー属性から集客につなげるための分析も行えるのです。たとえば、新規のアプリ会員のなかで特に多い年齢層を割り出すなど、今後の戦略の方針を検討するうえで有益な情報を得られます。UPLINKならダウンロードされた数なども、店舗のパソコンや自分のスマートフォンから容易に確認が可能です。
メッセージで個別にやりとりする
店舗アプリのなかには、メッセージの送信だけでなく、顧客と双方向のやり取りが可能なものもあります。チャットのように気軽にコミュニケーションをとれるため、店舗と顧客の距離感を縮めたい場合にもうってつけです。また、メッセージのやり取りなどを通じて好みを把握し、それに合った商品の情報を通知するようなアクションも行えます。このように購買や来店の意欲をうまく刺激していくことで、店舗の継続的な集客を見込みやすくなるでしょう。
お知らせを通知する
プッシュ機能によって、定期的にお知らせを通知することがリピーターの獲得につながります。毎月ポイントが2倍になる日や割引の情報などを知らせるようにしておけば、店舗のことを忘れられてしまうリスクを避けられるからです。また、UPLINKのように顧客データの管理や分析が可能なら、それと組み合わせることで、さらに大きな効果を得られるでしょう。個人に応じた情報を分析結果に基づいて通知すれば、サービスなどに対する愛着や信頼の指標である顧客ロイヤリティを高められます。
地下でも工夫すれば集客できる！店舗アプリの検討を
店舗が地下にある以上、通りすがりの人を集客するのは路面店ほど容易ではありません。しかし、競合店舗との差別化でリピーターを獲得し、そこから口コミで来店につなげる方法などもあるので、立地をマイナスにとらえなくても大丈夫です。UPLINKなどの店舗アプリを運用すれば、工数をあまりかけずに、顧客の情報を活かして効果的なアプローチを実施できます。集客力を上げたいなら導入を前向きに検討すると良いでしょう。