店舗への集客を目的として、アプリをダウンロードしているお客様の誕生日や誕生月に誕生日クーポンを配信する手法があります。実際、そういったクーポン配信を行っている事例にはどのようなものがあり、集客効果は得られているのでしょうか。この記事では、「誕生日クーポンは導入すべきなのか」「導入した場合にうまく活用するにはどうすればよいのか」について紹介します。
アプリクーポンの利用者は増加傾向
クーポンといえば、以前は紙に印刷されたものが一般的でしたが、時代の流れと共に状況は少しずつ変わってきています。インターネットのリサーチ会社が2020年3月に行ったアンケート調査によると、直近1年にクーポンを利用した人の中で紙に印刷してあるクーポンを利用した人は、2017年と比較して減少しました。一方、スマホや携帯電話に配信されたクーポンを店頭で見せたり端末にかざしたりした人は、2017年よりも大幅に増加しています。また、クーポンの入手先としては、LINEや店舗の公式アプリを挙げた人が多く、新聞の折り込みチラシを挙げた人は減少傾向です。利用客の意識としては、以下のような人がそれぞれに約2~3割を占めています。
・同じものならクーポンのあるお店で購入する
・お店に出かける前にクーポンがあるかどうかを調べる
・クーポンの利用目的でお店を利用したことがある
クーポンは、お客様にとっても関心が高く集客効果も見込めるため、店舗側も積極的に発行し、うまく活用していきたいものです。
アプリで誕生日にクーポンや特典を配布している事例
それでは、アプリで誕生日クーポンや特典を配布している事例にはどのようなものがあるかを具体的に紹介します。
ユニクロ
ユニクロでは、オンラインストアに会員登録した人を対象として、誕生月に500円引きのクーポンが配信されます。なお、このクーポンはオンラインストアのみで利用可能です。このほか、アプリを新規ダウンロードして会員情報を登録したときにも500円分のクーポンが配信されます。このクーポンは店舗で利用可能です。なお、どちらのクーポンも5000円(税抜き)以上の買い物をした場合にのみ利用ができます。
デニーズ
デニーズでは、デニーズの公式モバイルサイト「デニモバクラブ」に登録すると、誕生月に「バースデークーポン」「20%引きになるクーポン」が配信されます。バースデークーポンの内容は、メニューに載っていないデザートの無料プレゼントです。小学生以下の幼児がいる人は、子どもの誕生日を登録しておけば、子どもの誕生月にもバースデークーポンとしてデザートがプレゼントされます。バースデークーポン以外には、アプリの入会時にその日から使える10%引きのクーポン券が配信されるほか、「毎月10%引きのクーポン」「週ごとに配信されるさまざまなクーポン」など、特典が多いことが魅力です。
無印良品の店舗アプリは、誕生日を登録して誕生月中に買い物をした場合、翌月4日ごろに500円分のポイントが付与されます。また、誕生月の間に買い物をした場合は、MUJIマイルが通常の2倍貯まることが特典です。なお、マイル2倍の対象には買い物以外にカフェなどの利用やホテル宿泊、キャンプ場宿泊なども含まれます。ネットストアで買い物をした場合は、誕生月の間に受け取りをしないと特典が使えません。ネット注文で店舗受け取りを選択した場合、注文をした日にかかわらず誕生月の間にアプリを提示して店舗で受け取った場合が対象です。
無印良品
無印良品の店舗アプリは、誕生日を登録して誕生月中に買い物をした場合、翌月4日ごろに500円分のポイントが付与されます。また、誕生月の間に買い物をした場合は、MUJIマイルが通常の2倍貯まることが特典です。なお、マイル2倍の対象には買い物以外にカフェなどの利用やホテル宿泊、キャンプ場宿泊なども含まれます。ネットストアで買い物をした場合は、誕生月の間に受け取りをしないと特典が使えません。ネット注文で店舗受け取りを選択した場合、注文をした日にかかわらず誕生月の間にアプリを提示して店舗で受け取った場合が対象です。
シャトレーゼ
シャトレーゼには、「カシポ」という名前のシャトレーゼで使えるポイントカードがあります。Web会員に登録すると、Webで買い物してもポイントが貯まったりクーポン配布やお誕生日特典などを受けたりすることが可能です。公式アプリの案内ページには、お誕生日特典の内容は書かれていません。しかし、お得なクーポンを一覧で紹介しているサイトによると、以下のような特典があります。
・1500円以上のデコレーションケーキを2日前までに予約、入金した場合に「500mlのソフトスパークリング1本」または「オーブンでそのまま焼けるピザを1枚」をプレゼント
なお、このクーポンはオンラインショップでは利用できません。また、誕生月の月末までに利用することが条件です。公式アプリには、誕生日を7つまで登録できるため、家族の誕生日にも利用できます。
サーティワン
サーティワンでは、「アイスマイル」というポイントサービスがあります。お店で買い物をすると「アイスマイル」が貯まっていく仕組みです。アイスマイルが規定のポイント数まで貯まればランクアップしていき、クラスに応じた特典が何度でも受けられるほか、ランクアップの際には1度だけ使えるスペシャルクーポンが配信されます。また、来店するたびにポイントをもらえ20回目と31回目にもクーポンがプレゼントされることも魅力です。アプリ会員を対象として誕生月にプレゼントされるバースデークーポンで「レギュラーシングルのコーン」または「カップを1個無料」で注文できます。
ドットエスティ
ドットエスティでは、レギュラーからダイヤモンドまで5種類の会員ランク分けがなされています。会員ランクは、毎年3月1日から翌年2月末日までの年間購入額によって決まる仕組みです。Webまたは店舗で購入の際には、「レギュラー会員は3%」「ダイヤモンド会員は5%」のポイント還元がされるなど、会員のランクに応じたポイント還元率が定められています。3月と9月の年に2回、ランクに応じたランク別クーポンが配信されることが特徴です。
レギュラー会員のクーポンはなく、シルバー会員の500円からダイヤモンド会員の3000円までそれぞれに異なった金額のクーポンが配信されます。同様に、誕生日クーポンも会員のランクによって配信される金額はさまざまです。誕生日クーポンはレギュラー、シルバー会員は500円、ゴールド以上の会員は1000円分となっています。会員になれば、一律同じ特典が受けられる方式もありますが、ドットエスティのように「たくさん購入した会員にはより多くの特典を付与してほかの会員と差別化する」という方法も戦略の一つです。
誕生日クーポンを贈る店舗のメリット
ここからは、誕生日クーポンをお客様に贈ることで店舗側にどのようなメリットがあるのかについて紹介します。
購買意欲が高まり来店のきっかけになる
クーポンがもらえると、そのお店でサービスを利用したり買い物をしたりするとお得になることをお客様に印象付けられます。例えば、同じ商品を購入する場合でもクーポンを利用して少し安く購入できるのであれば、「ほかのお店ではなくクーポンのあるお店に出かけよう」という可能性が高まるでしょう。定期的に配信されるさまざまなクーポンとは異なり、誕生日クーポンは1年に1度、誕生月の人だけがもらえる特別なクーポンです。誰でも同じタイミングでもらえるわけではないため、その特典を利用しなければ損をしたような気持ちになる可能性もあります。
いつもそのお店を利用しているお客様の再来店を促すことはもちろん、しばらく足が遠のいてしまったお客様に再来店を促すのにもお誕生日クーポンは効果的です。
顧客との絆が深まる
誰しも自分の誕生日を覚えてくれていて「おめでとう」と声かけをしてくれるとうれしく感じるものです。誕生日は1年に1度だけの誰にとっても特別な日だからこそ、思い入れがあります。そのような日に、いつも利用しているお店から誕生日プレゼントとしてクーポンがもらえれば、不快な気持ちになる人はいないでしょう。また、お客様には「このお店は誕生日にプレゼントをくれるお店」として認識してもらうことができ、お店のイメージも良くなります。このような出来事を繰り返していくことで、お客様と店舗との間で良い関係性を育んでいくことができ、絆が深められることが期待できるでしょう。
お客様から好印象を持ってもらえれば、店舗のリピーターになってくれる可能性も高まったり、ほかのお客様を紹介してくれたりする可能性も出てきます。そうなれば、さらに顧客を増やすことにもつながっていくでしょう。
誕生日クーポンでは何を贈るべきなのか
誕生日クーポンには、どのようなものを贈ればよいのでしょうか。クーポンの内容として、しばしば見られるのは、割引クーポンです。割引クーポンには、飲食や買い物をしたときに「総金額から割引されるもの」「特定のメニューや商品の割引を行うもの」があります。また、通常は有料のサービスや商品を無料にする方法もあるでしょう。誕生日クーポンとして配信する場合は、プレゼントという言葉を使ったほうが特別感を出すことが期待できます。
一律で同じサービスや商品を提供する方法もありますが、お客様の好みに合わない場合は魅力的だと感じてもらえないこともあるでしょう。そのため、数種類の選択肢を用意してお客様が好みのものを選べるようにすると、満足度も上がるのではないでしょうか。
効果測定は忘れずに!
誕生日クーポンは、お客様の誕生日をお祝いする気持ちと集客を兼ねているため、「クーポンの配信が来店につながっているのか」について効果測定をすることが大切です。クーポンを配信してもお客様が来店しない場合、店舗側の思いがお客様に届いていない可能性があります。例えば、クーポンの内容が魅力的でなかったりクーポンが配信されていることに気づいていなかったりする可能性もあるでしょう。「来客につながらなかった理由は何なのか」を徹底して検証することで、今後のサービス提供にも役立てることができます。
誕生日クーポンを効果的に活用したいならUPLINK
誕生日クーポンを配信することで集客につなげたい考えがある場合は、「UPLINK」の導入を検討してはいかがでしょうか。ここでは、UPLINKで行えることなどについて紹介します。
UPLINKでの誕生日クーポン配布とは
店舗アプリを作成できるUPLINKには、さまざまな機能が搭載されています。その中の一つが、自動で配信することができる誕生日クーポンです。誕生日クーポンは、ユーザーの誕生月に自動的にクーポンが発行されます。また、「誕生月お知らせ配信」を設定すれば、スマホの画面にプッシュ通知が表示されるため、クーポンが届いたことをお客様に伝えることができます。他のクーポン同様に画像を追加して作成することもできるため、より一層魅力的な誕生日プレゼントのイメージが演出可能です。
そのほかUPLINKでできること
UPLINKには、お客様の再来店を促し集客効果を上げられるスタンプカードやポイントカード機能が充実しています。そのため、紙のスタンプカードやポイントカードとは異なり、来店時にお客様が持ってくることを忘れてしまう可能性も低いでしょう。また、オンライン決済システムもあるため、「非接触や非対面で決済を行いたい」という需要にもこたえることもできます。事前決済機能を利用してテイクアウトサービスを行ったり、デジタルチケットを利用してサブスクリプションサービスを始めたりすることも可能です。
特別なクーポンでお客様に来店してもらおう
誕生日は、1年に1度訪れる誰にとっても特別な日です。そのような日に、行きつけのお店から誕生日クーポンが届けばうれしく思う人も多いのではないでしょうか。誕生日クーポンで普段は、有料のメニューの商品が無料になったり割引が受けられたりすることで、お客様が再来店するきっかけになる可能性があります。プレゼントや特典を用意して、お客様にお店のサービスや商品を楽しんでもらいましょう。