飲み物のテイクアウトは売れる!?新しく始めるのに必要なもの・許可とは?

コラム

すでに飲食店を経営していたりこれから開業を予定していたりして、飲み物のテイクアウト販売にも興味を持っている人もいるでしょう。飲み物のテイクアウトは比較的低コストで始められますが、許可を取得する必要があるため注意が必要です。ここでは、テイクアウト販売に興味がある人を対象に、必要なものや許可について詳しく説明します。

テイクアウトドリンクは需要が高い!?

2019年ごろタピオカドリンクが大きなブームになったことは記憶に新しいでしょう。タピオカドリンクがあれほどのブームになった一因としては、「SNS映え」の風潮が挙げられます。SNS映えする写真とは「InstagramなどのSNSにアップしたとき多くの人の注目を集め、興味を引ける写真」というような意味合いです。SNS映えを意識する人たちの多くは、「きれいな写真が撮れたからSNSにあげる」のではありません。「SNSにアップするために映える写真を撮りに行く」のです。

タピオカドリンクやレモネードなどのドリンクは、見た目がかわいかったりきれいだったりするものが多く、高い人気があります。テイクアウトできれば美しい景色が眺められる場所や話題のスポットまで持ち運んで一緒に撮影することも可能なため、特にテイクアウトドリンクが好まれるのです。色が美しい、形がかわいい、フォトジェニックな味わいがあるなど、SNS映えするカップやドリンクはとても需要があります。

飲み物のテイクアウトを始める店舗側のメリット

飲み物のテイクアウト販売によるもっとも大きなメリットは、低コストで始められる点でしょう。原材料にそれほど高額なものがないことに加え、メニュー数がそれほど多くないため仕入れる量や種類が少量ですみます。また、フードのテイクアウトでは料理だけでなくお皿などの容器、フォークやスプーンなどのカトラリー、おしぼり(ウェットティッシュ)などを入れるための紙袋などが必要です。ドリンクの場合はそのまま渡せば良く、店舗が準備するのはカップとストロー程度のため、こまごまとした備品を購入し保管しておく必要がありません。備品にかかる経費があまり発生しないため、コストを抑えられます。

とはいえ、ドリンクは客単価があまり大きくありません。費用を回収するためには数を売ることが重要です。

届け出や許可の必要性について

これからドリンクのテイクアウト専門店を始める人は、保健所に届け出をして許可を得ることが必要です。すでに飲食店を経営していてドリンクのテイクアウトサービスを開始する場合でも、場合によっては新たに許可を得る必要があります。そこで、ここでは、テイクアウト販売に関連する保健所の許可について詳しく説明します。

飲み物のテイクアウトを始めるために必要な許可

すでに飲食店として営業していて、店内でこれまでに提供してきたドリンクをテイクアウト販売する場合は、基本的に新たに許可を得る必要はありません。これは、飲食店の営業開始にあたって取得した許可で、テイクアウト販売に必要な条件も満たしていると考えられるからです。一方、新たにテイクアウト販売を行う店舗を出したり経営する飲食店で使用しているものとは異なる設備を設けたりするケースでは、許可を得なければなりません。

新規に開業する際は、飲食店開業と同様に「食品衛生責任者の資格」の取得と「飲食店営業許可証」を得ることが不可欠です。食品衛生責任者は、都道府県で実施される講習会に参加すれば取得できます。受講料は1万円ほどで、1日で終わることがほとんどです。また、飲食店営業許可証を得るには、店舗や施設内のキッチンが一定の基準を満たしていなければなりません。それを確かめるため、保健所の立ち入り検査が行われます。

ドリンクが「お酒」なら酒類販売業免許が必要!

飲食店内でお酒を提供するときは、特別な許可をとる必要はありません。しかし、テイクアウト販売の場合は事情が異なり、酒税法により酒類販売業免許の取得が求められます。ただし、酒類販売業免許の取得には、「これまでに税金の滞納処分を受けたことがない」「法令違反を犯し罰則を受けたことがない」などの要件を満たす必要があり、お酒を販売する場所が適切かどうかも厳密に判断されます。飲食スペースと販売スペースを別々に設置しなければならないため、場合によっては内装工事が避けられないこともあるでしょう。お酒のテイクアウト販売は、事前に入念な計画を立て、慎重に検討して始めるかどうかを決めたほうが良いでしょう。

同時にフードもテイクアウトできるようにしたいなら?

ドリンクだけでなく、軽い料理などフード類も一緒に提供したい人もいるでしょう。例えば、コーヒーとパンやサンドイッチを提供するなどのケースです。この場合も、店舗でこれまで提供してきたメニューを扱うのであれば、基本的に新しい許可を取らなくてかまいません。しかし、喫茶店を営業していて取得しているのが「喫茶店営業許可」のみの場合は、扱えるのはドリンクと軽食だけです。料理もテイクアウト販売する予定であれば、「飲食店営業許可」を取得しなければいけません。

提供するフードの内容によっても、必要な許可が変わります。例えば、店内で作ったパンやケーキをテイクアウト販売するなら「菓子製造業の許可」が、自家製のアイスクリームなら「アイスクリーム製造許可」の取得が欠かせません。これ以外にも、ライスなしで総菜のみ提供するのであれば飲食店営業許可で問題ないものの、ライスをつけるなら仕出しの営業許可が必要と、わかりづらい面があります。飲食店営業許可だけでテイクアウト販売できるのか、新たに何か許可を取得する必要があるのか判断がつかないときは、管轄の保健所に相談しましょう。

飲み物のテイクアウトで繁盛するためのポイント

ドリンクのテイクアウト販売を始めても、購入してもらえなければ赤字です。それでは、ドリンクのテイクアウト販売で利益を上げるためには、どのような点に注意すれば良いでしょうか。これは、まず、味はもちろん見た目にもこだわることが挙げられます。SNS映えする個性的でアート感のある外観やオシャレな見た目にすれば、若い女性を中心に注目を集められるでしょう。また、機能面も重視することが大切です。例えば、ドリンクを買ったお客様がすぐにその場で飲むとは限りません。特に、イベント会場で販売するケースなどは長時間持ち歩く可能性が高いでしょう。このようなとき、蓋つきカップにするとこぼれにくくホコリなどが入るリスクも下がるため、喜ばれます。

テイクアウトしたドリンクは持ち運ぶために片手がふさがるため、不便に感じているお客様も多いものです。そこで、たとえばカップドリンクホルダーも販売すると、一緒に売れる可能性があります。このようなテイクアウトに役立つ便利グッズも同時に販売することは、他店との差別化にもなるでしょう。

飲み物のテイクアウト容器の選び方

ドリンクをテイクアウトするなら絶対に要るのがカップです。さまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、テイクアウト用のドリンクカップの選び方を紹介しましょう。

ホット用とアイス用で2パターン必要!

ドリンクカップは、基本的にホット用とアイス用の2パターンを用意しましょう。ただし、なかにはホットとアイスを兼用できるものもあります。例えば、紙カップや発泡紙カップは兼用可能です。発泡紙カップは断熱性に優れ、なかに熱いドリンクを入れてもカップが熱くて持てないといったことにはなりません。保温効果も高く、なかに入れたドリンクが冷めにくいです。このような特性から、発泡紙カップは特にホットドリンクにおすすめです。カップではなく、「瓶」や「ボトル」にしても良いでしょう。愛らしいデザインのものからスタイリッシュなものまで、さまざまな種類があります。

SNS映えする容器とは?

紙カップより、プラスチックカップやボトル、瓶などの透明な容器のほうがSNS映えしやすい傾向があります。これは、ドリンクのきれいな中身が見えるためです。ただし、それを狙うなら当然ドリンクそのものが美しく、「映える」ものでなければなりません。仮にドリンクそのものがシンプルで映えないカラーなら、飾りを挿したりフルーツを入れたりと美しい見た目になるよう工夫しましょう。カットしたフルーツの鮮やかな色味が加わるだけで、パッと華やかになります。容器にかわいいロゴや模様を印刷するのもおすすめです。

飲み物のテイクアウトの有名店

多くのお客様に購入されるテイクアウトドリンクを作るなら、人気の高いお店のドリンクが参考になるでしょう。ここでは、テイクアウトドリンクが有名なお店を紹介します。

Trueberry

Trueberryは東京の目黒区、港区、渋谷区に店舗を展開するカフェです。無添加にこだわり、動物性食品や乳製品、白砂糖などを使わないヴィーガンドリンクを提供しています。ヘルシー志向のいたってシンプルなスムージーやボリューミーなデザートドリンクがあり、どれも洗練されたおしゃれな見た目です。無農薬・無化学肥料で育てられた野菜や果物などオーガニックな素材を使用している点も、人気の理由でしょう。

八屋

八屋は東京の千駄ヶ谷と代官山に店舗をかまえる日本茶のスタンドです。日本茶と聞くとどこか地味なイメージがあるものですが、八屋は斬新な発想でそのイメージを覆すことに成功しています。たとえば、お茶を点ててクリーミィなミルクを注いで作るラテは、柔らかな口当たりとまろやかな甘みが人気です。このほかにも、レモンやざくろなどのフルーツトッピングがたくさん入った炭酸冷茶やほうじ茶スムージーなど、変わり種のドリンクが豊富にそろっています。

THE ALLEY LUJIAOXIANG

THE ALLEY LUJIAOXIANGは台湾発祥のティースタンドで、台湾で20店舗以上を構える人気店です。大きな特徴は、美味しいことはもちろん、ドリンクの見た目がとにかく美しい点でしょう。SNS映えすると、日本でも高い人気があります。たとえば、オーロラドリンクシリーズはころんとしたキュートなボトルに入ったドリンクで、透きとおる青と赤や黄色とのグラデーションがとてもきれいです。

テイクアウトを始めるなら「店舗アプリ」導入を

テイクアウトドリンクは低コストで始められます。SNS映えするフォトジェニックなドリンクなら、口コミで広まって繁盛することもあるでしょう。テイクアウト販売するなら事前注文や事前決済ができるアプリの導入がおすすめです。店舗独自のアプリを作成すれば季節ごとの新商品のお知らせやクーポン配布ができ、画像でビジュアルに強く訴えることもできます。顧客の固定化のため、店舗アプリの導入を検討してみてはいかがでしょうか。