世界規模で感染が拡大している新型コロナウイルスは、飲食店の売り上げにも影響を及ぼしています。とはいえ、飲食店のオープンを長年にわたって夢見てきた人もいるでしょう。飲食店オープンの夢を今叶えるには、どうすればよいのでしょうか。
この記事では、飲食店を始めるための一般的なポイントやwithコロナ時代にオープンする飲食店として何をすればよいのかを説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
飲食店オープンのポイント
実際に飲食店をオープンするには、大量の手続きや資金調達などやるべきことはたくさんあります。ここでは、お店を繁盛させるために最初にやっておきたいポイントについて、準備の流れに沿って紹介していきます。
コンセプト設計
飲食店オープンの準備で最初にしておきたいのが「コンセプト」を明確にすることです。ただし、安易に「地域の人の憩いの場にする」「誰もがくつろげるお店にする」といった浅いコンセプトにすると、ほかの店舗との差別化ができません。まずは、SNSなどで注目されている飲食店は、どのようなコンセプトで運営しているのかをチェックしてみましょう。
準備の手順としては「どこに出店するのか」「どのような業態(店舗を構えるかテイクアウト専門店にするのか)にするのか」「どのようなシーン、時間帯に利用してほしいのか」といった重要なポイントを決める必要があります。明確なコンセプトが決まっていれば、このような点を詰めていくときに一貫性を持つことができます。結果として、アピールポイントを上手に打ち出せるため個性あるお店になるのです。
物件選び
飲食店の立地を検討する際には、繁華街やおしゃれで高級なイメージのあるエリアを選びたくなるものです。ただし、残念ながら魅力的な街ほど家賃は高くなります。家賃は、たとえ売り上げが少なくても必ず支払わなければなりません。固定費なので、後々の売り上げによっては経営が苦しくなってしまう可能性もあります。コンセプトに合う「集客しやすい立地」で、なおかつ「賃料が負担にならない」という2点のバランスを取ることが大切です。
どうしても立地と賃料のバランスが取れない場合は、前の店舗の設備がそのまま残っている「居抜き物件」の利用も視野に入れるといいでしょう。内装も残っているので、リフォーム費用などの工事費用を抑えられます。また、コンセプトが合う場合は、キッチンカーやテイクアウト専門にする方法もあります。これなら固定費としての家賃負担が重くなりません。
スタッフ募集・教育
飲食店のオープンにあたってスタッフを雇う予定がある場合は「募集」から「採用」までを計画的に進めていきましょう。オープンまで余裕をもたせた期間内に、店舗のコンセプトに沿った人材を募集します。スタッフを採用したあとは、接客などの教育をしておくことも重要です。飲食店の印象は、スタッフの接客態度にも大きく左右されます。客層やコンセプトに合う質の良いサービスを目指すのがポイントです。
人件費は、飲食店の経営では固定費になるため売り上げが少なくなれば負担になってきます。オープンするエリアの「最低賃金」をチェックしたうえで、シフトが必要であればシミュレーションして人件費を算出します。そうすれば、何人のスタッフを雇えるかが分かるので、無理のない計画的な採用が可能になるでしょう。
集客
飲食店オープンにあたっては「集客」が重要なポイントになるので、計画的に進めておくと安心です。店舗の顔でもある看板は、どこに、どのようなものを設置するのかを検討しておきましょう。一般的に看板には予算がかかるので、予算との兼ね合いで早めに決めておくのがポイントです。チラシについても、作成や配布の方法を考えて手配しておきます。予算が少ないのであれば、手作りのチラシを作るなどの工夫も必要です。
また、コロナ禍においては、特にSNSを賢く使った集客が効果を上げているといわれるようになりました。SNSを利用して店舗オープンについての情報発信をすると、開業前であってもターゲット層との繋がりが生まれるというメリットがあります。開業準備の様子や業種などをSNSにアップすれば、顧客になり得る人が興味を持ってくれる可能性もあるでしょう。準備の空き時間に、こまめに更新していくのがポイントです。
コロナ対策として飲食店がすべきことは?
新型コロナウイルスの拡大により、飲食店には新たな対策が求められています。まずは、密閉、密接、密集の「三密」の防止です。店舗内の換気を十分にしたうえで、状況に応じた入場制限や行列の間隔を空ける工夫などをしなければなりません。また、従業員の検温を毎日行うことはもちろんですが、顧客についても検温の徹底が大切です。体調不良者を店舗に入れないようにすることが感染拡大防止につながります。
そもそも飲食店は衛生面に注意が必要ですが、新型コロナウイルス流行時には平時よりも徹底しなければなりません。顧客が触れるドアノブやメニュー表など、すべて定期的に消毒をする必要があります。飛沫による感染防止策として、対面する席の間に「パーテーション」を設置する方法もあります。4席あるテーブル上に飛沫防止ガードを置くなど、飛沫防止策はマスクを外して食事をする飲食店では特に重要なポイントです。
逆にチャンス!?withコロナを想定した飲食店をオープン!
withコロナの時代に入り、従来の飲食業界は苦しい状況になっています。しかし、これからオープンするお店なら、はじめからコロナ感染対策を前提とした作りにできるでしょう。そのため、新規の店舗のほうが集客のチャンスが大きいとさえ言えるのです。繁盛店にするポイントとして、テイクアウトやデリバリーをはじめから用意しておくことをおすすめします。さらに、密にならないよう店内の座席数を減らし、広々とした空間を演出することも大切です。
三密を避ける結果になる「テラス席」を広くとっておくのもいい方法です。風通しのよいテラス席は普段でも人気がありますが、新型コロナ感染症のリスク軽減への期待から好んで座る人も増えています。また、ソーシャルディスタンスについて配慮すると、従来の同じ広さの店舗よりも客席数が少なくなってしまうこともあります。テラス席を設けることにより、減らした分の客数を増やす効果も得られるでしょう。
テイクアウト専門店にするという方法も!
新規で飲食店をオープンするなら、withコロナ時代を生き抜くために「テイクアウト専門店」にする方法もあることを押さえておきましょう。ここでは、テイクアウト専門店のメリットやデメリットなどを紹介していきます。
テイクアウト専門店にするメリット
新型コロナウイルスの感染防止策として、テイクアウトのニーズは確実に増えています。自宅での食事が推奨されるwithコロナ時代の新たな生活様式として、テイクアウト専門店は顧客にマッチしているのです。テイクアウト専門店にすると、固定費が安くなるという点にも注目してください。飲食する客席のスペースがなくなるため、店舗の面積はかなり小さくても大丈夫です。店舗の面積が狭くなるのに比例して、家賃や光熱費が格段に少なくなります。さらに接客するホールスタッフも必要ないので、人件費も大幅に抑えられます。家賃や人件費といった固定費が減るため、その分を使って好立地に店舗を構えられる可能性も大きくなるでしょう。
客席がないテイクアウト専門店は「満席になったため来店した顧客を断らざるを得ない」という機会損失も起こりません。客席数の縛りがないため、ピークの時間帯でも商品販売を続けることができるというメリットは大きいものです。仕入れをした材料を使い切ることで食品ロスも防止できるでしょう。
テイクアウト専門店にするデメリットと注意点
テイクアウト専門店にはメリットだけでなくデメリットもあるので、両面があることを認識しておきましょう。テイクアウト商品には「弁当」というイメージが出来上がっている点はやむを得ません。そのため、「弁当」としての妥当な値段設定として商品単価を低く設定することになります。出来上がった食べ物を入れるための皿などのカトラリーは、使い捨てのものです。商品の単価は、容器代も含めた価格を算出する必要があります。使い捨ての容器は食器と違い洗って再利用できないため、多めに準備しておかなければなりません。テイクアウト専門店の場合は、カトラリーの保管場所も確保する必要があります。
また、テイクアウト商品の場合は、店舗ですぐに提供する場合と違い「冷めても美味しい」という基準も求められます。テイクアウトの条件に合うメニューは、ある程度限られてしまうといっても過言ではありません。
テイクアウト専門店は特別な許可が必要?
テイクアウト専門店を新規で開業する場合でも、店舗開業と同じように「飲食店営業許可証」が必要です。出店する地域の保健所の立ち入り調査などを受けて、地域ごとの条件を満たしていれば許可されます。必要な設備などについて、事前に確認しておきましょう。また、「食品衛生責任者の資格」も必要で、調理師・栄養士以外の人は自治体の講習を受講することが必要です。
また、提供するメニューによって必要な資格もあります。例えば、ケーキやたい焼きなどのスイーツに関しては「菓子製造業営業許可証」、ドリンクも提供する場合は「喫茶店営業許可証」の資格を取得しなければなりません。ただし、何が必要なのかは販売するエリアや商品によって異なるため、管轄の保健所に確認しておきましょう。
事前注文・事前決済が功を奏す!?
withコロナ時代の飲食店には、決済方法にも工夫が求められています。そこで、注目されているおすすめの決済方法があるので紹介していきます。ここでは、「事前注文」「事前決済」の導入について、その意味やメリットを紹介していきますので参考にしてください。
事前注文・事前決済とは?
新型コロナウイルスの感染拡大により注目されているのが「事前注文」「事前決済」です。これは、顧客がアプリを通して自宅や職場などから事前に商品を注文し、そのままクレジット決済まで済ませてしまうというサービスです。スマートフォンのアプリを利用する気軽に注文できる方法で、全国展開している大手チェーン店などが次々と導入しています。アプリを立ち上げると近くの店舗が表示され、好みの商品を選ぶことが可能です。店舗に滞在する時間が短くなるため人との接触が減り、感染リスクが軽減する効果も期待できます。
事前注文・事前決済のメリット
事前注文・事前決済には多くのメリットがあるので押さえておきましょう。店舗側にとっては、スタッフがオーダーを受けるなどの接客や会計の手間にかかる時間が減り稼働率が向上します。人件費の削減も可能になるので、経営するうえでのメリットは大きいでしょう。事前に注文から決済まで済んでいるので、「注文だけして顧客が取りに来ず、商品が無駄になり料金も受け取れない」というリスクも発生せず安心です。
顧客側は注文したテイクアウト商品を店舗で受け取ることができるため、行列に並ぶ必要や長い待ち時間も発生しません。事前注文・事前決済は、店舗と顧客の双方にメリットの多いサービスなのです。
実現方法の1つ「店舗アプリ」導入
事前注文・事前決済を実現する方法として「店舗アプリ」の導入をおすすめします。店舗ごとに提供するサービスで、テイクアウトに特化したアプリもあります。コロナ禍で開業するならぜひ導入を検討しましょう。
店舗アプリとは?IT知識がなくても導入できるの?
店舗アプリとは、例えばマクドナルドやスターバックスが提供しているような、店舗独自のアプリのことです。簡単に導入するには、店舗アプリ作成サービスを利用する方法があります。たとえアプリ開発のスキルがなくとも、アプリの作成と運用サポートを受けることができるので安心して始められます。店舗の運営に必要な機能は多いため、すべて揃っているものを選ぶのがポイントです。
アプリの搭載機能については、店舗アプリ作成サービスによって様々に異なっています。例
えば「UPLINK」なら、ポイントカードやオンライン決済、サブスクサービスを実現できる回数券、デジタルチケット販売などへの対応が可能です。店舗経営をするうえでの課題は網羅し、解決するための店舗アプリとしておすすめです。
「UPLINK」のテイクアウト特化型店舗アプリ
店舗アプリのなかでも「UPLINK」は、あると便利な機能がオールインワンで装備されています。使う機能をテイクアウトに絞りたいなら、テイクアウトに特化したプラン「UPLINK ライトプラン テイクアウト」にするのがおすすめです。「UPLINK」のほかのサービスのように事前にアプリで注文と決済ができるのはもちろん、ほかにも店舗のための「受け漏れ防止コール」機能が付いています。店舗への注文が多い時間帯でも、受け漏れがあれば知らせてくれるので受注を逃すこともなく安心です。プッシュ通知や店舗情報、顧客のプロフィール情報にも対応している優れたテイクアウト特化アプリなのでぜひ導入して活用しましょう。
自分のお店をオープン!時勢に対応して繁盛店にしよう
長いあいだ夢に見ていた自分のお店のオープンでも、新型コロナウイルスという逆風のなかでは不安が大きいかもしれません。しかし、ポイントを押さえたコロナ禍での上手な対応をすれば、従来よりも集客アップのチャンスをつかめる可能性が期待できます。顧客のニーズに即したサービスを提供できるよう、SNSや店舗アプリを駆使して繁盛店にしていきましょう。