新規顧客やリピーターの獲得は、順調な経営に欠かせない重要なポイントです。美容室経営者の中には、「技術には自信があるのに顧客が増えない」「どのように集客すれば良いかわからない」という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、美容室で役立つ効果的な集客方法を解説していきます。新型コロナウイルスの感染が続く現状に合わせた集客方法も紹介するので、参考にしてみてください。
集客をする上での鉄則
効果的な集客をしたい場合、まずは「顧客獲得コスト」と「顧客生涯価値」の2点をしっかり押さえるようにしましょう。1つ目の「顧客獲得コスト」は、顧客1人を獲得するのにかかる費用のことです。インターネット広告費などが該当し、一般的にはCPAと呼ばれます。何もしなくても顧客が集まる店舗はほとんどないため、多くの美容室は大手ポータルサイトなどを活用してインターネット広告を出しているでしょう。広告はただ出せば良いというものではなく、それなりの効果がなければ意味がありません。
そこで重視されるのが、「費用対効果」です。費用対効果は、かけた費用に対する効果の大きさを示すもので、「売上÷広告費=1以上」となれば広告に効果があったと判断されます。ただし、費用対効果は効果の有無はわかるものの、顧客1人を獲得するための費用まではわかりません。このため、CPAを用いて詳細なコストを計算し、効率良く利益を上げているのかどうか判断するのです。CPAは、「広告費÷新規顧客数」で計算できます。たとえば、広告費が20万円で新規顧客数が40人だった場合、1人の顧客を獲得するのに5000円をかけている計算です。
顧客が美容室で1万円使えば5000円の利益を得られますが、顧客が4000円しか使わなかったら1000円分美容室側が損をすることになります。費用よりもCPAが低かった場合、利益を得るにはその顧客に何度も美容室を利用してお金を落としてもらわなければなりません。このように、費用対効果が良くてもCPAが悪ければ順調な利益を得るのは難しい可能性があるため、CPAにもしっかり注目する必要があるのです。
2つ目の「顧客生涯価値」は、顧客がリピーターになった場合に生涯でどれほど売上に貢献してくれるかを表したもので、LTVと呼ぶこともあります。わかりやすくするために、1年間に限定して考えてみましょう。この場合、LTVの計算式は、「平均単価×1年間の来店回数(12カ月÷来店頻度)×リピート率」となります。たとえば、平均単価は6000円で来店頻度は2カ月に1回、リピート率が80%の顧客のLTVは、6000円×6回×0.8=2万8800円です。この顧客がリピーターになってくれれば、売上が年間2万8800円増えることになります。この条件の顧客で年間売上をあと100万円増やしたい場合は、100万円÷2万8800円で約35人のリピーターが必要ということも計算できます。このように、LTVは長期的な視点で売上や集客を考える際に重要な指標となるのです。
よく使われている集客方法
集客を考える上で重要なポイントを理解したら、次は一般的に用いられている集客方法をチェックしておきましょう。近年は美容室の数が多く、顧客獲得をめぐる競争も激しくなっています。周辺のライバル店に負けないためにも、定番かつ主流の集客方法を押さえておくことはとても大切です。
オフライン
ネット全盛期である現代でも、紙媒体などを用いたオフラインの集客方法は数多く活用されています。たとえば、紙に美容室の場所やメニュー、料金などの情報を掲載した「チラシ」は定番中の定番ともいえる存在です。特定の日に特定の場所へ確実に届けることができるため即効性が高く、地域密着型の美容室には特に効果が期待できるでしょう。インターネットを使わない層にもアプローチでき、信用性が高い点も魅力です。ただし、チラシは細かいターゲティングができないため、なかなか反響を得られないこともあります。少しでも顧客の目に留まるよう、希少性の高いお得な特典や実際の利用者の声、印象的な写真や興味をひくキャッチコピーなど、魅力を高める工夫をすることが大切です。
また、「ニュースレター」も効果的です。チラシは主に売り込み目的で作成するものですが、ニュースレターは顧客に役立つ情報を中心に店舗の紹介などを掲載します。強引さがなく、顧客の興味をひきやすい内容なので効果的なアプローチが可能です。このほか、「スリーステップカード」もよく使われています。従来のポイントカードはかなりの来店数が必要で、顧客が途中で諦めてリピートしなくなるケースも少なくありませんでした。リピーターを増やすには、特典のタイミングが重要となるのです。3回で特典を得られるスリーステップカードはお得感からリピート率が高まりやすく、コストパフォーマンスの面でも効率が良いので店舗・顧客双方にメリットがあります。
さらに、顧客との関係性を深める「お礼状」も古くから使われる手法です。最初の来店から3日後にはお礼を、3週間後には店舗のコンセプトなどより深い情報を、3カ月後には割引クーポンを送るなど、段階的な訴求を続けることで顧客から忘れられないようにする効果が期待できます。ほかにも、店舗周辺に看板を掲示するなどしてすぐに始められる「アナログブログ」や、売上に応じて豪華な特典を付与する会員制度など、さまざまな集客方法があります。
オンライン
多くの人がスマートフォンやパソコンを使って自ら情報収集をする現代では、やはりオンラインを活用した集客方法が非常に重要となります。その中でまず実践したいのが、「ホームページの開設」です。ホームページは時間や曜日に関係なく宣伝活動を続けられるだけでなく、数多くの情報やコンテンツを表示することができるため、効果的にアプローチできます。顧客が知りたがっている店舗のコンセプトやメニュー・料金、スタッフや利用者の口コミ、予約・問い合わせフォームなどは、特にわかりやすく表示することが大切です。オフラインでの集客をきっかけにホームページを見てもらえるよう、チラシなどにアドレスも明記しておきましょう。
また、顧客に親しみを感じてもらえる「ブログ」も効果的な集客方法のひとつです。店舗のコンセプトやスタッフ紹介だけでなく、継続的に顧客の相談に応じたり役立つ知識を掲載したりすれば、そこから興味を持って来店してくれる顧客が増える可能性もあります。少しでも多くの顧客の目に留まるよう、閲覧数やユーザーが多いサイトを利用するのがおすすめです。さらに、コストをかけずに多くの顧客に宣伝したい場合は「SNS」の活用も外せません。
TwitterやFacebook、Instagramなど各種SNSは世界中に膨大なユーザーを抱えており、店舗の情報を効率良く広めることができます。中には分析機能を搭載したものもあり、宣伝活動の効果を調べたりターゲティングに役立てたりできるなど、さまざまなメリットも期待できるでしょう。ただ、インターネットに詳しくないなど、実際にどうオンラインを使えば良いのかわからないという人もいるでしょう。この場合は、最初から効果的な集客機能を備えた「UPLINK」のような集客アプリに頼るのもひとつの方法です。集客アプリにはポイントカードやクーポン、予約機能やプッシュ通知など集客に役立つ機能が数多く搭載され、操作もしやすいため手軽に宣伝活動を行えます。
今だからできる!コロナに負けない宣伝方法
新型コロナウイルスの流行により、売上を落とした美容室も多いかもしれません。しかし、そんな状況だからこそ、普段はできないアプローチが可能になることもあります。次は、今だからできる宣伝方法について確認します。
お客さんの層はどう変わる?
ネットリサーチ国内最大手である「マクロミル」の調査によると、コロナの影響で美容室の利用方法に変化があった人の割合は約25%に上っています。感染を避けるため、人が密集しやすい都心部ではなく、地元の美容室に通うようになった人は約18%でした。コロナで美容室の選び方を変えていないという人を合わせると、約61%が地元の美容室を選んでいることになります。さらに、美容室を選ぶ際に重視することは何かという質問でも、54%が自宅や職場に近いという点を挙げていました。
これらの結果から、地域密着型で人が集まりにくく、安全性の高そうな美容室が選ばれやすいことがわかります。もちろん美容室ごとに異なるものの、単純に考えて都心部の美容室では顧客が減りやすく、郊外の美容室では逆に顧客が増えやすいと予想できるでしょう。
お店側が気をつけるべきポイントは?
コロナは感染力が非常に高く、十分な対策が必要だということが知られています。美容室に来る顧客も、その点を一番に心配しているでしょう。このため、店舗側はとにかく感染のリスクを軽減するべく、可能な限りの感染対策を行う必要があります。ただし、いくら対策をしても、それが顧客に伝わらなければ意味がありません。「対策していないのではないか」と顧客が誤解してしまえば、客足は遠のいてしまうでしょう。このため、対策の内容は顧客にわかりやすい形で明確に提示してください。
ホームページやチラシなどで目立つように表示したり、店舗内外に看板やポスターを設置したりしてアピールすると効果的です。十分な対策は顧客の安心感や信頼感につながるため、リピーターの獲得に大きく役立つでしょう。
ウィズコロナ時に美容室ですべき対策
コロナに対する不安感が増している現状では、特に念入りな対策が求められます。全国理容生活衛生同業組合連合会からコロナに対する感染拡大予防ガイドラインが出されているため、それに従いながら店舗独自の対策を行うようにしましょう。必ずやっておきたい対策について、具体的に3つ紹介します。
「密」を避ける
感染症の主な感染経路は、飛沫感染や空気感染、接触感染です。閉ざされた室内でスタッフと顧客が近い距離で接する美容室では、特に感染のリスクが高いといえるでしょう。このため、とにかく「密」を避けることが欠かせません。室内に多くの人が集まらないよう、客席と客席の距離を保ったり、予約枠の減少や入店制限、営業時間の短縮などをしたりしましょう。また、スタッフと顧客が必要以上に密接になるのを防ぐため、マスクの着用を徹底した上で会話は最小限にすることも必要です。カウンセリングが必要な場合は事前にオンラインで済ませる、手が触れないよう会計はオンライン決済を勧めるなどの対策もおすすめです。
さらに、コロナウイルスは空気中を長時間漂うこともあるため、店舗内の換気を十分に行いましょう。ドアノブや椅子など、人の手が触れやすい場所もこまめに消毒してください。
お客さんへ十分な説明を行う
いくら十分な感染対策をしても、それが顧客へ伝わらなければ集客にはつながりません。オンラインやオフライン、いずれの集客方法においても、感染対策を行っていることを強くアピールしましょう。店舗のポリシーなどを同時に掲載することで、形骸化した対策ではなく本気で取り組んでいるのだと理解を得られるようになります。なお、感染対策の中には、顧客にも協力してもらう場合があります。健康に問題がないことを証明するために受付で検温したり、密を避けるために店舗の外で待ち時間を過ごしてもらったりすることもあるでしょう。スタッフやほかの顧客への感染リスクを軽減するためにも、こういった対策に同意できるかどうか、予約時に顧客に確認しておくと安心です。
店舗全体でのルール徹底
美容室で実際に感染対策を行うのは、現場で働くスタッフです。経営層だけが感染対策を意識しても、現場のスタッフに浸透しなければ意味がありません。感染リスクの高い接客業であることを自覚し、顧客だけでなく自分たちの身を守るためにも、店舗全体で感染対策のルールを徹底することが大切です。手洗いやマスク着用といった個人レベルの対策に加え、店舗全体の消毒やスタッフの数を減らすためのシフト制導入など、あらゆる対策を徹底して行うことがポイントになります。場合によっては、プライベートの食事や遊びを制限するなど、我慢を強いる必要もあるかもしれません。
ただし、あまり過酷な対策を行うと、スタッフの負担が大きくなってしまいます。スタッフの意見を聞いたり人員配置を工夫したりするなど、オーナー側もできる限りスタッフへ配慮するようにしましょう。
美容室での集客を成功させよう!
美容室の集客方法には、チラシやポイントカードを用いたオードソックスな方法のほか、ホームページやSNSなどのオンラインを活用した方法まで幅広くあります。中でも特に効果が期待できるのは、集客やキャッシュレス決済だけでなく、コスト削減や業務効率化にもつながる集客アプリです。低価格短納期でアプリ導入が可能、かつ万全のフォローが受けられる「UPLINK」なら、コロナで負担が増えているこの時期に大いに役立つでしょう。